腎細胞ガンで障害年金を受給したケース②(40代・女性)
2021年7月16日
みなさん、こんにちは。
以前腎細胞ガンで障害年金を受給した女性の(40代)申請までの病歴状況や障害状態についてお話しましたね。
認定基準を用いてどの程度の状態で等級に該当するかについてもお話しましたが、こちらの女性は裁定請求日(現症)が3級、障害認定日は等級不該当という結果でした。
そのため裁定請求日(現症)を2級、障害認定日を3級とするよう審査請求を行いました。
障害認定日当時の診断書を見ると、症状の良くなる見込は「無」になっています。
一般状態区分表はイに丸が付されており、予後(余命)はおよそ5年~10年程度となっています(3級に該当するためには一般状態区分表はイかウであることが必要)。
認定日当時、抗ガン剤治療による副作用が日常生活に大きな支障を来たしていたこと、また診断書には「労働は不可能」といった文言等が記載されていたことから認定日当時の予後等も考慮に入れると、認定基準・第16節/3級の障害の程度に十分該当する状態であったことを訴えました。
(3級の程度とは以下の通り)
一方現症の診断書は、こちらも症状の良くなる見込は「無」になっています。一般状態区分表はウに丸が付されており、予後(余命)はおよそ3年となっています(2級に該当するためには一般状態区分表はエかウであることが必要)。
こちらも認定日当時と同様、抗ガン剤治療による副作用が激烈であったこと、また頻回に入院や手術を行っていたこと、また認定日当時よりも症状は増悪しており予後も3年となっていたことから認定基準・第16節/2級の障害の程度に十分該当する状態であったことを訴えました。
(2級の程度とは以下の通り)
審査請求では抗ガン剤治療等による副作用はあるものの、診断書裏面の⑮欄その他の障害-2検査成績における数値に異常値がなかったこと等から現症2級、障害認定日3級と認めることは困難であるため原処分は妥当との判断であるとの決定書が送られてきました。
認定基準には「組織所見とその悪性度、一般検査及び特殊検査、画像検査等の検査成績、転移の有無、病状の経過と治療効果等を参考にして、具体的な日常生活状況等により、総合的に認定する」といった記載があるにもかかわらず、実際は診断書の検査数値等、はっきりと目に見える部分しか診査されていないような印象が強く、抗ガン剤治療の副作用が与える日常生活の不便さ等については意見書の中では触れられていません。
当然、この結果には承服できませんでしたので、審査請求と同趣旨で再審査請求を申し込みました。
結果、審査会から原処分を取り消す旨の通知が送付され、障害認定日当時は3級であったことが認められました。
しかし、現症の等級決定については受け入れられず3級のままという結果でした。
これについてはまた次週以降詳しく解説したいと思います。
それでは今日はこの辺で。
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