障害年金の3級14号。「症状が固定した」と判断され、再審査請求へ③
2025年6月20日
みなさん、こんにちは。
今日は5月16日にアップしたブログの続きについてお話します。
さて、今回停止となった女性(50代・緑内障。以下、単に請求人という)は3級14号で障害厚生年金3級を受給していましたが、令和5年8月に「症状が固定した」と判断され支給停止となりました。
前回審査官の主張について妥当ではないと申し上げましたが、審査官は以下のような主張についても述べています。
「傷病が治った場合」とは上記のように定義されていますが、実は元々「かつ、残存する症状が自然経過により到達すると認められる最終の状態(症状が固定)に達したとき」という文言が入っていました。
しかしながら、平成24年9月の認定基準の改正によりこの部分が省かれてしまったのです。
この「最終の状態に達した」という文言があれば「まだ最終の障害状態ではない」といった反論ができるのですが、それができなくなったため、少なからずこの文言の省略が今回の認定には影響していると考えられます。
また、再審査請求の決定においては、令和6年5月付で請求人が症状悪化により「1級」に認定されたことについては以下のように述べています。
つまりは、症状固定していた間は止めるが、症状が悪くなったら再開するということです。
認定基準を自分たちの都合のいいように解釈しているとしか思えません。
こちらは当然再審査請求で覆るものだと確信していたため、驚きとともに今後このような理由で不当に不支給となったり停止となる事例が相次ぐのではと危惧しています。
ちなみに再審査請求では参与は全員「症状固定ではない」との意見だったにも関わらず、結局は「症状固定」の保険者判断を尊重しました。
合議制のもとに参集されている参与の存在はいったいなんなのでしょうか。
再審査請求の存在意義そのものの土台が揺らいでいます。
請求人は再審査請求の後、裁判で争うこともできましたが、たった8ヶ月間の年金のために裁判はできないとのことで(それも当然のこと)、到底この結果に納得することはできませんが残念ながらここでこの争いは終結することとなりました。
これは間違いなく年金機構の暴走、再審査請求の形骸化そのものです。
本来機構の間違いを正さなければならない立場であるはずの審査会がこのような決定をしたことは、障害年金制度の根幹を揺るがす決定といえます。
今日はこの辺で。
・障害年金の3級14号。「症状が固定した」と判断した根拠とは・・・①
・障害年金の3級14号。「症状が固定した」と判断した根拠とは・・・②
・障害年金の3級14号。「症状が固定した」と判断した根拠とは・・・③
・障害年金の3級14号。「症状が固定した」と判断した根拠とは・・・④
・障害年金の3級14号。「症状が固定した」と判断され、再審査請求へ①
・障害年金の3級14号。「症状が固定した」と判断され、再審査請求へ②