障害年金の3級14号。「症状が固定した」と判断され、再審査請求へ②
2025年5月16日
みなさん、こんにちは。
今日は4月23日のブログの続きについてお話します。
さて、今回停止となった女性(50代・緑内障。以下、単に請求人という)は3級14号で障害厚生年金3級を受給していましたが、令和5年8月に「症状が固定した」と判断され、障害年金が停止となり審査請求、再審査請求まで争いましたが結果が覆ることはありませんでした。
しかしながら、視野検査数値を見ても分かるように緩やかに症状は進行しており「症状固定」といえる状態ではありませんでした。
また、それを裏付けるようにこの請求人は支給停止事由消滅届の提出により令和6年5月に「症状悪化」が認定され「1級」となっているのです。
ではここで審査官がどのような理由により審査請求を棄却したのか、決定書を抜粋する形で見ていきたいと思います。
まず障害年金の認定基準の中に「障害認定に当たっての基本的事項」という項目があり、その中に以下のような文言があります。
「3 認定の方法」
(3) 「傷病が治らないもの」の障害の程度の認定に当たっては、障害の程度の認定時期以後おおむね1年以内に、その状態の変動が明らかに予測されるときは、その予測される状態を勘案して認定を行う。
(5) 「傷病が治らないもの」であって、3級の第14号と認定したものについては、経過観察を行い、症状が固定に達したものは、3級の第14号に該当しないものとする。
審査官はこの文言を持ち出し、3級の第14号に該当しないと主張していますが、そもそも請求人は症状固定に達していません。
また、加えて審査官はこのようにも述べています。
上記認定の方法に倣い、「従前の障害の程度を3級の第14号と認定していたものといえ、本件障害の状態は3級の程度に該当せず、障害手当金の程度にとどまっているのであるから、経過観察を行い症状が固定に達したものであると判断するのが相当である」と。
障害手当金の程度にとどまっていることを理由に挙げていますが、そもそも障害手当金程度の障害状態が継続していたとしても、症状が固定いていなければ3級14号の権利は失われないはずです。
認定基準のどこを見ても、障害手当金の程度から直ちに3級の程度に症状が進行しなければ症状固定とするといったような文言など見当たりません。
それでは次回へ続きます。
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