障害年金の認定日請求。審査会の判断は妥当?①
2024年5月24日
みなさん、こんにちは。
昨年5月~6月にかけて網膜色素変性症で請求した事例(50代・男性)についてご紹介しました。
こちらの認定結果が出ましたので今日はその内容についてお話したいと思います。
まずは簡単にこちらの事例をおさらいすると、この網膜色素変性症で請求した男性は障害厚生年金で認定日請求をしたのですが、指定期間(初診日から1年半経過後3ヶ月以内。この男性の場合平成25年12月3日~平成26年3月3日)には受診・検査歴がなかったため、認定日よりおよそ9ヶ月早い平成25年1月10日の診断書を提出することにしました。
このときすでに3級相当で、視野が2分の1以上欠損している状態であることが分かりました。
この請求方法はマニュアル通りではないのですが、網膜色素変性症という進行性であり不可逆性の眼疾患であるといったことから、障害認定日当時も3級であることが十分証明できるため、このような少しイレギュラーな方法で認定日請求を行いました。
しかし、結果は事後重症請求としては認めるものの、障害認定日当時の障害状態は認められず、不支給となったのです。
理由は「認定日から3ヶ月以内の診断書ではないため」
加えて、「網膜色素変性症のような求心性視野狭窄は視野が1/2以上の欠損をしていても3級に該当しない」といった理由も記されていました。
実はほぼ同時期に同疾患で同じ請求方法、また障害の程度までほぼ同じ患者の請求は認められているのです。
しかし、この保険者(日本年金機構)の主張は明らかに誤っており、詳しくは2023年6月30日のブログをご覧ください。
さて、結論から言うとこの案件は再審査請求まで争いましたが、裁決結果は「棄却」でした。
つまり提出した翌月分からは給付されるものの、認定日(過去)に遡っての障害給付は行わないというものです。
審査会の主張としては、まずやはり「認定日の診断書として提出した日付が認定日から9ヶ月以上も離れている」こと、そして「網膜色素変性症のような求心性視野狭窄は視野が1/2以上の欠損をしていても3級に該当しない」という保険者の意見、ならびに審査請求の裁決分と同様のものでした。
それでは次回へ続きます。
※認定日等の日付は個人情報保護の観点により異なる日付を記しています。
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