「日常生活及び就労に関する状況について」が送られてきた事例②
2026年7月10日
みなさん、こんにちは。
今日は、7月2日に掲載したブログの続きについてお話したいと思います。

さて、川村さん(40代・男性/仮名)は、C病院を受診された後、障害年金の請求に至りました。
今回のC病院の受診は、診断書の作成を主な目的として行われたものでした。
初診時には、当事務所で作成した情報提供書をもとに、ケースワーカーとご本人が面談を行い、その内容を踏まえて診断書を作成していただきました。
そして、その約2週間後に障害年金の請求を行いました。
それでは、まず川村さんの診断書がどの程度の内容であったのかを見ていきたいと思います。
川村さんの傷病名は、「軽度知的障害」とされています。
まず、診断書裏面の「2 日常生活能力の判定」は、以下のとおりでした。
※「できる」=1、「自発的にはできるが時には助言や指導を必要とする」=2、「自発的かつ適正に行うことはできないが助言や指導があればできる」=3、「助言や指導をしてもできない若しくは行わない」=4とします。
(1)適切な食事 【3】
(2)身辺の清潔保持【3】
(3)金銭管理と買い物【4】
(4)通院と服薬【4】
(5)他人との意思伝達及び対人関係【4】
(6)身辺の安全保持及び危機対応【4】
(7)社会性【4】
次に、「3 日常生活能力の程度」ですが、こちらは【3】にチェックが入っていました。
この内容を障害等級の目安表(P5)に当てはめると、縦軸の「判定平均」は3.7、横軸の「程度」は(3)となります。
※判定平均の計算方法や障害等級の目安表の見方については、5月29日のブログを参考にしてください。
この組み合わせを障害等級の目安表で確認すると、交差する箇所は空白となっています。
この空白にはどのような意味があるのでしょうか。
これは、「2 日常生活能力の判定」と「3 日常生活能力の程度」の重症度が、必ずしも一致していないことを示しています。
実際、川村さんの診断書では、「2 日常生活能力の判定」は【3】が2項目、【4】が5項目となっており、日常生活能力の判定としてはかなり重い内容となっています。
一方で、「3 日常生活能力の程度」は(3)となっており、こちらは判定内容と比較すると、それほど重い評価ではありません。
つまり、「2 日常生活能力の判定」がこれだけ重い内容であるならば、「3 日常生活能力の程度」についても(4)あるいは(5)にチェックが入っていなければ少し不自然なのではないか、ということです。
この障害等級の目安表は、そのような診断書内の評価の整合性を確認するための意味合いも持っているものと考えられます。
このように、障害の程度についてやや整合性が取りにくい内容の診断書で請求を行ったところ、請求から約3ヶ月後、日本年金機構から「日常生活及び就労に関する状況について」という書類が送られてきました。
さて、日本年金機構はどのような点を問題視し、この書類の提出を求めたのでしょうか。
次回は、その点について考察していきたいと思います。
本日はこの辺で。
▼合わせて読みたい▼
・障害年金の等級はどのように決まるのか?⑥~精神障害編~【完結編】
・「日常生活及び就労に関する状況について」が送られてきた事例①


