障害年金の等級はどのように決まるのか?③~精神障害編~
2026年6月5日
みなさん、こんにちは。
今日は、5月29日に掲載したブログの続きについてお話しします。

前回は、障害等級の目安(P5)(以下、マトリックス)の見方について解説しました。
このマトリックスは、診断書の内容を点数化し、おおよそ何級相当に該当するのかを判断するためのものです。
しかし、この結果だけで等級が決まるわけではありません。
認定基準にも記載されている通り、このマトリックスはあくまでも総合評価における参考資料であり、実際の等級判定は、その他の要素も含めて総合的に判断されることとなっています。
では、他にどのような要素が評価対象となるのでしょうか。
認定基準では、総合評価の際に考慮すべき要素の例として、以下の項目が挙げられています。
②療養状況
③生活環境
④就労状況
⑤その他
まず、「①現在の病状又は状態像」についてです。
精神障害の場合は、どのような症状が出現しているか、予後の見通しや症状の経過などが考慮されます。
知的障害の場合は知能指数や日常生活における援助の必要度、発達障害の場合は対人関係の状況や日常生活能力の程度、感覚過敏の有無などが考慮すべき要素の例として示されています。
小倉さんの診断書でも、「ア 現在の病状又は状態像」のうち、「Ⅴ 統合失調症等残遺状態」において、「感情の平板化」や「意欲の減退」にチェックが付されています。
小倉さんの場合は統合失調症ではなく、うつ病による請求となりますが、このように診断書のどの項目にチェックが付されているかも、総合評価における判断材料となります。
次に、「②療養状況」についてです。
ここでは、共通事項として通院状況や服薬状況が考慮されます。
また、精神障害の場合には、入院時の状況や在宅での療養状況も評価対象として示されています。
実際に、精神障害のケースでは入院している状況であると、それだけ症状が重篤であると判断され、認定に有利に働く傾向があります。
続いて、「③生活環境」についてです。
共通事項として、家族等からの援助状況や福祉サービスの利用状況が考慮されます。
また、独居の場合には、その時期や具体的な理由、知的障害・発達障害の場合には在宅での援助状況や施設入所の有無なども考慮すべき要素として挙げられています。
精神障害による請求では、この生活環境が特に重要視される傾向があります。
認定基準には「独居の場合はその時期や具体的な理由」と記載されていますが、これは平たく言えば、一人暮らしであるかどうかも審査対象となるということです。
そして、一人暮らしである場合には、その生活に至った経緯や理由、訪問看護等の利用状況、家族からの援助状況などを具体的に示せることが非常に重要です。
例えば、週に1回程度、親や兄弟が自宅を訪問して部屋の清掃を行っている、代わりに買い物をしている、食事を提供しているといった援助がある場合には、その実態を丁寧に伝えることが望ましいでしょう。
反対に、福祉サービスも利用しておらず、周囲からの援助も受けていない生活状況である場合には、マトリックス上では等級に該当していたとしても、審査上はマイナスの評価となる傾向があります。
それでは次回は、これも障害年金の審査において非常に重要な要素である「④就労状況」について詳しく解説していきます。
本日はこの辺で。
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