眼瞼痙攣(メージュ症候群)、障害年金受給への道⑦
2018年2月22日
みなさん、こんにちは。
7週にわたりお話してきたこのシリーズも今日で最後となります。
さて、審査請求が棄却されたためすぐに再審査請求を行いました。通常であれば再審査請求では新たに申立書は追加せず再審査請求を行う旨を保険者に通達するのみですが、今回は理由書を付け加えました。
そして東京で行われる公開審理の日がやってきました。
公開審理が始まると、すぐに決定権を持つ審査委員長と審査委員のうちの一人から保険者に対して「症状固定じゃないのでは?」との声が上がりました。
他の参与も「症状固定ではない」との意見が多く、保険者が不利な雰囲気であることは明らかでした。
新規裁定及び審査請求において症状固定とした理由を保険者に求めたところ、やはり診断書・⑫予後の欄に「改善の見込みはない」と記載されているからとのことでした。
公開審理から2ヶ月後、社会保険審査会より決定通知書が送付されました。
結果は「原処分を取り消す」
つまり傷病は治っておらず症状は固定していないことが認められ障害年金が支給されることが決まったのです。
決定書には「現在服薬治療中でもあり、服薬によってわずかばかりであっても改善が認められるのであるから症状固定と考えるのには無理がある」との考えが示されていました。新規裁定からこの決定を得るまでにおよそ2年もの月日を要しました。
今回このように眼瞼痙攣において3級に該当したということは今後同じように眼瞼痙攣で請求する方にとって大きな前進であり喜ばしいことではありますが、やはり認定基準に大きな落とし穴が存在することを見過ごすことはできません。
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今回と同じような審査が今後同じように繰り返されるなら眼瞼痙攣で請求する方は受給権を得るまでに全員2年かかるということになってしまいます。
また保険者は最後まで「改善が見込めない」イコール「症状固定である」ということを主張しましたが、この「改善が見込めない」とは症状の進行は不可逆であり良くなる見込みはないが悪化する可能性も含むと考えるのが妥当ではないでしょうか。
この障害年金制度における「症状固定」の定義は保険給付の可能性を広げるために考案されたものであり、今回のケースのように請求者の受給権を否定するために利用されることがあっては決してなりません。
今後も行われていく審査において、今回の決定が活かされることを切に願います。
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