障害年金・眼疾患の不支給事例~認定基準の解釈をめぐって~⑥
2026年1月20日
みなさん、こんにちは。
本日は12月5日のブログの続きとして、前回ご紹介した事例について改めて考えてみたいと思います。

さて、前回取り上げた金子さんについては、認定日では障害等級2級、現症では1級として認定されました。
現症診断書の内容は1級相当であり、この点について争いはありませんが、問題となるのは認定日診断書の評価です。
ここで金子さんの認定日診断書に記載されたⅠ/2視標の値を改めて確認します。
右【 上:3 内上:3 内:3 内下:6 下:6 外下:7 外:6 外上:6 】合計40度
左【 上:3 内上:3 内:5 内下:4 下:4 外下:4 外:3 外上:3 】合計29度
左眼については、すべての測定値が5度以内に収まっていますが、右眼では「内下」「下」「外下」「外」「外上」の各方向で5度を超えていることが分かります。
なお、I/4視標については右が80度以内に収まっておらずこちらでは2級には該当しません。
ここで、最初にご紹介した木村さんの事例を振り返ると、不支給とされた理由は「I/2視標において右眼の視野が5度以内に収まっていないため」というものでした。
木村さんの請求は令和5年、金子さんの請求は令和7年であり、いずれも近い時期の請求です。
当然ながら、同一の認定基準に基づいて審査が行われているはずです。
にもかかわらず、金子さんは2級として認定され、木村さんは同様の視野状態でありながら2級として認められませんでした。
同一基準の下で審査が行われているのであれば、本来、認定結果も整合的であるべきではないでしょうか。
日本年金機構はしばしば「個別に判断している」と説明します。
しかし本件のように認定基準上の要件が明確であるにもかかわらず、結果に著しい差異が生じており、もはや「個別で判断」という理由では片づけられません。
木村さんは再審査請求においても2級と認定されることはなく、その理由について十分に納得できる説明はいまだ示されていません。
年金の障害認定は、障害を負った方たちの生活に直結する極めて重要な公的審査です。
その審査が、案件ごとに異なる解釈や運用によって左右されているとすれば、制度そのものへの信頼を大きく損なうことになります。
さらに、昨年末の報道では、日本年金機構内部において、医師の判定結果が職員の判断で採用されず、別の医師に再判定を求める運用が行われていた可能性が指摘されました。
このような事実が重なると、審査の中立性や公正性に対する疑念が生じてくるのではないでしょうか。
日本年金機構は、公的な審査機関として、認定基準の正確な理解と一貫した運用を徹底し、誰に対しても平等で透明性のある審査を行う責務があります。
基準は恣意的に解釈されるものではなく、すべての請求者に対して等しく適用されるべきものです。
今後、同様の疑問や不信を生まないためにも、審査体制と運用の在り方について改めて真摯な見直しが求められます。
今日はこの辺で。
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