障害年金・眼疾患の不支給事例~認定基準との解釈をめぐって~①
2025年9月13日
みなさん、こんにちは。
今日は網膜色素変性症の女性で、障害基礎年金2級で再審査請求まで争った事例についてご紹介します。
請求人/本村美紀さん(仮名)・50代
傷病名/網膜色素変性症
請求方法/事後重症請求
請求年金/障害基礎年金
本村さんは、幼少期から視力が良好であり、学校健診などでも特に指摘を受けることはありませんでした。
眼鏡やコンタクトレンズを使用する必要もなく、視機能について大きな不自由を感じることはなかったといいます。
しかし高校生の頃、学校の暗室に入った際に異変を自覚されました。
周囲の友人たちがすぐに行動できる中で、ご本人だけは暗所に順応するのに時間を要し、しばらく一歩も動けないという経験をされたのです。
この出来事をきっかけに、平成1年(18歳頃)、A眼科を受診されました。
精密検査の結果、網膜色素変性症と診断されましたが、当時は視力・視野ともにほぼ良好であり、自覚症状は夜盲のみでした。
そのため主治医からは「継続的な受診は不要。気になることがあれば来院してください」と説明され、数年に一度程度の不定期な通院で経過観察を行うこととなりました。
その後、平成12年の結婚・転居を機にB眼科へと転院。
この時点では視力は比較的良好に保たれていたものの、視野には求心性の狭窄が確認されました。以降は定期的に通院し、経過観察を継続されています。
さらに令和6年には、B眼科から紹介状を持参のうえC眼科を受診されました。
検査の結果、視野狭窄が徐々に顕著となっていることが確認され、その際に障害年金の請求について案内を受けるに至りました。
さて、こちらの本村さんですが、新規裁定では不支給。
「不支給」のため初診日に争いはありませんでしたが、視野検査におけるⅠ/2視標及びⅠ/4視標の部分において等級不該当となる理由があると判断されました。
それでは次回に続きます。
※個人情報保護の観点により受診日・当時の年齢は実際と異なります。