「違法性なし」で済まされるのか・・・障害年金審査を巡る不透明な実態
2026年1月23日
障害のある人が受給する障害年金を巡り、日本年金機構の審査体制の在り方が改めて問われています。
認定医が作成した認定調書を日本年金機構の職員が破棄し、別の認定医に審査を依頼し直していた問題について、厚生労働省は16日、調書の破棄に違法性はなく、最終的な判断も妥当だったとする調査結果を公表しました。
厚労省によると、2024年5月以降、職員が「記載内容に誤りがある」「資料が不十分である」などと判断し、当初の認定医や別の認定医に再度審査を依頼したケースは約7,500件に上るといいます。
このうち、記録が残っている昨年10月以降に認定が完了した811件を対象に検証が行われました。
その結果、別の認定医による審査で「支給」から「不支給」に変更されたケースや、等級が引き下げられた事例は17件ありました。
また、最終判断前に再審査が行われ、不支給となったものは24件あり、合計41件について日本年金機構の常勤医が最終判断の妥当性を確認したところ、不適切な事例は確認されなかったとしています。
一方で、厚労省は同日、認定医が支給相当と判断したにもかかわらず、職員が別の医師に審査を依頼し直し、不支給に覆ったケースが昨年10月以降の約3か月間で11件あったことも明らかにしました。
逆に、不支給から支給に変更された例は94件確認されています。
認定調書の破棄については、等級記載欄の誤記や添付資料の不足などを理由に、一定期間保管した後に行われていたとされています。
厚労省は「調書の破棄や判断の妥当性に問題はなかった」としつつも、「客観性や公平性の観点から改善すべき点がある」と説明しています。
今後は、別の認定医に再審査を依頼する場合、当初の認定医の意見も反映させる運用に改めるほか、職員への聞き取り調査も継続するとしています。
しかし、この問題では、職員の判断によって認定結果を破棄し、審査をやり直す恐れがあることを、日本年金機構の担当部署が以前から認識していたことも判明しています。
過去に、本来であれば受給できたはずの障害者が受給権を失っていた可能性も否定できませんが、認定調書が破棄されているため、事後的な検証や救済は困難とみられています。
この一連の経緯は、昨年末の共同通信の報道によって明らかになりました。
引用元:YAHOO!JAPANニュース YAHOO!JAPANニュース
さて、ここからは私の見解になりますが、厚生労働省は「違法性はない」と結論づけていますが、そもそも日本年金機構の職員に、認定医が下した医学的判断を独断で破棄する権限や裁量があるとは考えにくいです。
実際に、別の認定医による再審査によって不支給へと覆った事例が確認されている以上、職員による認定調書の破棄が、請求者に不利な結果をもたらしたケースが存在した時点で、極めて重大な問題であると考えます。
「過去に受給権を奪われた障害者がいた可能性があるが、記録が破棄されているため救済は不可能」とするのであれば、その結果に対する責任は一体誰が負うのでしょうか。
決して「問題はなかった」と言い切れる話ではないはずです。
この問題は、内部調査のみで幕引きを図るべきではありません。
より徹底した検証が不可欠であり、必要であれば第三者機関を交えた独立性の高い調査が行われるべきだと考えます。
認定調書という公的文書が恣意的に破棄されていたのであれば、その行為は単なる運用上の問題にとどまらず、公文書の改変や偽造と受け取られかねない重大な行為です。
制度への信頼を守るためにも、真相究明と責任の所在を明確にすることが強く求められます。


