診断書を書いてもらえないときは
2017年7月21日
みなさん、こんにちは。
障害年金を請求する際、障害の程度を示すための診断書を必ず提出しなければなりません。しかし、難病指定の障害などの場合診断書を書いてもらえないケースがあります。
過去に線維筋痛症で請求したケース(50代・女性)がありました。
この女性は交通事故をきっかけに、線維筋痛症が発覚しました。事故直後から頭痛や腰痛、手のしびれが出現。しばらくは事故の後遺症として加療継続しましたが、痛みが治まることはありませんでした。その後身体所見により線維筋痛症を疑われ転院、確定診断となりました。
線維筋痛症は重症患者の場合風が吹いただけでも体に痛みが走ると言われる障害です。しかし現時点では治療法が確立されておらず、対症療法などの緩和ケアしか行うことができません。
この女性も緩和ケア目的のため、近くのペインクリニックに通院していました。その後障害年金のことを知り、請求に至ります。
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この女性の場合、通院していた病院がペインクリニックのみでした。主治医に診断書を書いてもらうよう相談しましたが、そこではあくまで痛みを和らげるための治療しか行っていないため診断書は書けないと断られたのです。そのため、診断書を書いてもらえる病院探しからスタートしなければなりませんでした。
その後理解のある医師が見つかり、2ヶ月ほど通院したのち診断書を書いてもらうことができました。
この女性は激しい疼痛により熟睡することができず、入浴の際もシャワーの水滴が刺すような痛みとなります。じっとしていても常に針で刺されているような痛みがあり、日常生活を送ることは非常に困難です。医師は重症度分類試案ステージをⅤと判断し、結果障害年金1級決定となりました。
このように診断書一つで転院を余儀なくされることもしばしばありますが、病院によっては診断書目的での診察を拒否されるケースもあります。
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また、精神障害の場合医師が独断で障害年金に該当しないと判断したり、障害年金を受給することにより社会復帰が難しくなると考える医師もいるため、診断書記載に消極的な場合があります。
そのような場合は認定基準を用いて自身の生活状況を説明し等級に該当する可能性があることを伝える必要があります。
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それでもなお書いてもらえない場合は上記の女性のように転院を検討しなければならないでしょう。
しかし、症状等によっては服薬を継続しなければいけない場合もあり、安易な転院は避けた方がいいかもしれません。まずは治療が優先されるべきで、そこを飛び越して障害年金にのみ固執してしまうと本末転倒になりかねません。
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何にせよ障害年金に該当するかどうかは医師が決めることではなく日本年金機構が判断することなのです。
社労士は手続きがスムーズに進むようサポートを行いトラブルが発生したときには知恵を絞り、医師は適正な診断書を作成し、日本年金機構は診断書をもとにどの程度に該当するかを審査する、このように役割が明確に決まっているということを理解しなければなりません。
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それでは今日はこの辺で。