精神障害による事後重症請求事例
2016年12月22日
みなさん、こんにちは。
いよいよ寒さが身に染みる季節になりました。起床時は布団から出るのに10分かかり、ベッドから起き上がり洗面所まで行くのに10分かかり、顔を洗い歯を磨くのに10分かかり、着替えるのに10分かかり…
寒いと動きが鈍くなるのは私だけでしょうか。
さて、今日は事後重症請求の事例をご紹介します。
双極性障害(30代・女性)の請求事例です。
この女性に初めて症状が現れたのは大学生の頃です。幼少期から対人関係が苦手で大学入学後も人間関係に悩むことが多く、卒業する頃には抑うつ状態となっていました。
そんな折、自宅近くの心療内科を受診します。状態はひどく、医師の指示により即入院となりました。その後症状は寛解し、一般企業へと入社。しかし精神状態はすぐに悪化します。
気分は落ち込み、夜になってもなかなか寝付くことができません。両親に対して攻撃的になり、また極度の多弁となります。セカンドオピニオン目的で別病院を受診すると、うつ状態であると告げられ、やむなく退職となりました。
その後も症状が快方に向かうと就労への意欲が沸きますが、仕事が始まると途端に症状は悪化するといったような寛解と憎悪の繰り返しが何年も続きました。
現在も女性は躁状態とうつ状態の入れ替わりが激しく、食事や入浴といった日常生活動作においても家族の援助が必要です。
さて、この女性の初診日は平成13年2月1日です。10年以上前から躁うつ状態でしたが、障害年金制度を知らなかったため請求がかなり遅れることになりました。
このような場合認定日請求を検討したいところですが、この女性の場合初診の医療機関がすでに廃院していました。ご家族の記憶では障害認定日当時は入退院を繰り返していたため、2級以上に該当する可能性はあったものの(初診日当時は国民年金)、残念ながら廃院によりカルテはなく、当時の障害状態を示すものが一切残っていなかったため事後重症請求に切り替えることになったのです。
こういったケースは決して珍しいことではありません。いまだ障害年金は多くの方に知られておらず、受給できる障害状態の方が請求していないといったことが多くあります。
障害年金について、広いアナウンスが必要です。
それでは今日はこの辺で。
※個人情報保護のため、初診日の日付は実際と異なります。
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