日本年金機構の判断基準不明瞭。案件により認定にバラつきが
2023年7月14日
みなさん、こんにちは。
前回、網膜色素変性症で障害認定日請求をした事例(50代・男性)①~④を紹介しましたね。
この案件では認定日当時の日付が認定日から3ヶ月以内ではないという理由から却下に、また「網膜色素変性症のような求心性視野狭窄は視野が1/2以上の欠損をしていても3級に該当しない」といった理由からたとえ日付が認定日から3ヶ月以内であっても3級は認められないといったものでした。
さて、上記とは別で同傷病(網膜色素変性症)で請求した案件(30代・女性)が同じような理由により不支給となりました。
この女性も認定日請求をしたのですが、認定日当時の障害状態が「網膜色素変性症のような求心性視野狭窄は視野が1/2以上の欠損をしていても3級に該当しない」といった理由から認められませんでした。
ただ、おかしなことにこの女性の認定日の診断書は認定日から3ヶ月以内のものではなく、認定日から12ヶ月も前の日付であるにもかかわらず、日付については一切触れられておらず「不支給」となっています。
前回紹介した50代男性の事例は「却下」でしたね。
ここで補足なのですが、「却下」と「不支給」の違いについてです。
「却下」は条件が満たされていないため(例えば指定日付の診断書が提出されていないこと、初診日の証明が不十分であること、納付要件が足りない等)、障害の程度を審査するまでいかない、またはその程度自体を審査できなかったという意味を表します。
一方「不支給」というのは審査はしたが障害状態が認定基準を満たしていない等の理由から認定できないといった意味を表しています。
50代男性の案件では認定日当時の診断書が認定日から3ヶ月以内ではないと言った理由から「却下」としたにもかかわらず、30代女性の案件では認定日当時の診断書が認定日から3ヶ月以内ではないが審査をした上で障害状態が該当しないという理由で「不支給」としています。
審査する認定医が異なるためか、内部の事情がどうなっているのかはっきりとは分かりませんが一貫性に欠けた判断という他ありません。
また、上記2つとは別で同傷病(網膜色素変性症)で請求した案件(60代・男性)ですが、こちらも上記2つと同じような障害状態で、網膜色素変性症で視野が1/2以上の欠損した状態ですが、こちらは「3級」で認定されています。
30代女性と50代男性の案件では網膜色素変性症で視野が1/2以上の欠損した状態ですが、「等級不該当」です。
眼疾患、特にこの網膜色素変性症で請求する事例については実際このような認定が相次いでいます。
眼疾患における視力障害や視野障害は明確な数値による認定基準が設けられており、精神疾患やがん治療の副作用による「その他」の障害とは異なり、原則就労状況や生活状況には左右されないとされています。
したがって、このような認定のばらつきを単なる個別案件として片づけてはいけないのです。
公平・公正な審査を期すための認定基準が存在するにもかかわらず、これだけ認定にバラつきが生じるのは何故でしょうか。
現在紹介した全ての案件については不服申し立てを行っていますが、今後どのような判断が下されるのかは全く不透明です。
結果についてはまたこちらのブログで追ってお話したいと思います。
今日はこの辺で。
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