特別障害給付金(クローン病)受給への道③
2018年3月30日
みなさん、こんにちは。
前回、女性が20歳を迎えた頃に入院した記録が見つかったところまでお話しましたね。
そもそもこの女性はなぜそこまで20歳前傷病にこだわって請求せざるを得なかったのでしょうか。それは事後重症請求するための納付要件がなかったからです。
▼関連記事▼
そのため10代の頃に病院を受診した事実があることは確かなわけですから、20歳前傷病を利用する他ありませんでした。しかし第三者証明を用いても10代の受診が認められなかったため、この特別障害給付金制度に切り替える必要があったのです。
▼関連記事▼
本来であれば、審査請求の段階で特別障害給付金を改めて請求するべきであったと考えられます。
もっといえば20歳前障害としての障害基礎年金の請求と同時に行っておくことがベターだったでしょう。またもっと早い段階で当時の病院に入院記録の開示請求を行うべきでした。
しかし再請求を行うにあたり、最も懸念されたことはこれまで新規裁定及び審査請求において10代の初診を主張したにもかかわらず、再請求において初診日が20歳を過ぎた頃であったと主張をひっくり返したことで請求が門前払いされないかどうかということでした。
そのため事前に日本年金機構に特別障害給付金として再請求を受け付けてもらえるのかどうかを確認しました。
20前傷病と特別障害給付金は異なる制度であるため確実に20歳の頃の初診が証明できるのであれば少なくとも特別障害給付金は支給しなければならないはずであるというこちらの意見を伝え、再請求に踏み切りました。
またこの女性の場合、初診日だけでなく障害の程度においても争わなければならないことが予想されました。特別障害給付金は当然2級までしかありませんが、人工肛門だけでは認定基準上3級認定にとどまってしまいます。
しかし、人工肛門を装着してもなお障害状態が重篤であるということを丁寧に申し立て(普段の生活状況はもちろん、これまでの入院歴や手術歴等を網羅)、無事2級を勝ち取ることができました。
このように障害年金請求を行う際はなによりも初めが肝心です。
初診日を確認して納付要件を見ることは当然として、本当にその初診日は正しいのか(もっと前に本人も忘れている受診歴はないか、相当期間の未受診期間等があれば社会的治癒が成り立たないか等)、あらゆる選択肢を考えなければいけません。
そして、仮に不支給や却下といった不本意な結果となることもあり得ることを踏まえて、それに対する反論材料を常に準備して請求を行わなければなりません。
▼関連記事▼
それでは今日はこの辺で。