障害年金の等級はどのように決まるのか?④~精神障害編~
2026年6月12日
みなさん、こんにちは。
今日は、6月5日に掲載したブログの続きについてお話したいと思います。

前回は、総合評価の際に考慮される要素である「①現在の病状又は状態像」「②療養状況」「③生活環境」についてお話ししました。
今回は、その中でも「③生活環境」について、もう少し詳しく見ていきたいと思います。
前回、生活環境においては、訪問看護の利用状況や周囲からどの程度の援助を受けているか、また一人暮らしかどうかといった点が、認定結果に大きく影響するとお話ししました。
請求者の生活状況について、認定上の判断が分かれそうな要素がある場合には、日本年金機構からより詳細な生活状況を確認するための照会が行われることがあります。
その際に使用されるのが、「日常生活及び就労に関する状況について」という聞き取りシートのような書類です。
この書類では、同居人の有無や同居人との関係、独居である場合にはその時期や理由、さらに単身生活となってからの日常生活における援助状況などについて回答する必要があります。
また、次の9つの生活場面について、
「おおむね一人でできること」
「一人ではできないために周囲の援助を受けていることがあれば、その内容や頻度」
この2つの観点から、具体的かつ詳細に回答することが求められます。
・食事
・入浴や清潔保持
・金銭管理と買い物
・外出
・通院と服薬
・他者とのコミュニケーション
・安全保持及び危機対応
・趣味や興味があるものへの取り組み
・社会での諸手続き
この聞き取りシートは通常、日本年金機構から送付されるものです。
しかし、請求者が単身生活をしている場合や、周囲から十分な援助を受けられていない状況にある場合など、審査の過程で照会が行われる可能性が高いと考えられるケースについては、新規裁定請求の段階でこちらから作成し、あらかじめ提出することもあります。
その理由は、審査途中でこのような照会が行われると、その分審査期間が長くなってしまうためです。
また、生活状況の詳細を事前に伝えておくことで、審査担当者に請求者の実態をより正確に把握してもらいやすくなり、結果としてスムーズな審査につながることも期待できます。
この総合評価による等級判定について、小倉さんとは別の方の事例をご紹介します。
その方は、ご自身で障害年金を請求されたものの、認定された等級に不服があり、審査請求を検討したいとのことでご相談に来られました。
認定結果は3級でしたが、診断書の内容だけを見ると、明らかに2級相当と思われる内容でした。
詳しくお話を伺うと、その方は単身生活をされていたこと、また初診日から1年6か月が経過した時点で請求を行っており、治療歴としては比較的短期間であったことが分かりました。
さらに、受診していた医療機関は完全オンライン診療であり、一度も対面診療を受けたことがありませんでした。
このため機構からカルテの開示を要求され提出した経緯があります。
それを踏まえて3級認定された事実を考えると、カルテ内容と診断書内容に乖離があったのではと推察され、これが決め手になったものと思われます。
このように診断書上は2級相当と考えられる内容であったとしても、生活状況や療養状況などを含めた総合的な評価の結果として、3級と認定されるケースも実際には存在します。
それでは本日は、「④就労状況」についてもお話ししたかったのですが、少し長くなってしまいましたので、このテーマは次回に回したいと思います。
本日はこの辺で。
▼合わせて読みたい▼


