医師から適切な意見を得られず。窮地を打開する策は?
2024年11月28日
みなさん、こんにちは。
今日は11月14日にアップしたブログの続きについてお話したいと思います。
さて、豊田さん(仮名)が作成した病歴・就労状況等申立書を見て20歳前傷病であると判断した共済組合から返戻措置を取られ、書類一式が手元に戻ってきたあと、豊田さんは途方に暮れしばらく放置してしまいます。
その後、自分では手に負えないと判断し、HPで見つけた社労士に相談・依頼します。
その社労士は二つの道を同時に模索することにしたようです。
一つは共済組合が20歳前であると判断したことを理由に障害基礎年金の受給権を得るべく日本年金機構へ障害基礎年金を事後重症請求すること、もう一つはあくまで共済(厚生)年金の初診日にこだわることです。
おそらく私も同じ選択肢を検討はしたでしょう。
しかしながら、20歳前の障害基礎年金を請求するには10代の頃に受診した証明書が必要で、そうなると矛盾が生じます。
なぜなら、豊田さんの10代における受診は単なる近視や乱視であって網膜疾患とは因果関係のないものだからです。
共済組合が20歳前の障害基礎年金ではないかと差し戻したからといって、日本年金機構がそれだけを理由に障害基礎年金を出すはずはありません。
紆余曲折があり私が依頼を受けてから、日本年金機構へ提出した書類を取り寄せてみると、20歳前の受診に関する証明書は添付されていませんでした。
当然日本年金機構は「これだけでは審査のしようがない」とのことで返戻したわけです。
またその社労士の方は共済組合での請求も活かすため(共済組合は却下したわけではなく、あくまで返戻扱いのためまだその提出物の効力は活きている)、「豊田さんが病歴・就労状況等申立書に記載した幼少期からの眼の症状が今回の請求傷病である錐体ジストロフィーとは因果関係がない」旨の医師意見書を診断書記載病院であるE眼科に求めていました。
しかしながら、医師は「因果関係はある」と全く真逆の回答をしていました。
ここで八方塞がりとなってしまいました。
20歳前の初診証明はどの病院もカルテが残っていないため取ることができず障害基礎年金での請求は叶いません(そもそも20歳前の受診と請求傷病との間に因果関係はないと考えられる)。
一方共済組合側は20歳前傷病であると考えているためこのままでは共済組合へ再請求することも叶いません。
このように糸が複雑にからまりあった時点でようやく豊田さんから当事務所へ相談があったのです。
それでは次回へ続きます。
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