どうなる?障害年金の「直近1年要件」
2023年12月14日
みなさん、こんにちは。
今日は障害年金の保険料納付要件の一つである「直近1年要件」についての話題です。
障害年金の保険料納付要件についてはこれまで何度もこちらのブログで取り上げてきましたが、最初に少しだけおさらいしたいと思います。
障害年金には受給するための以下3つの要件があります。
・加入要件
・保険料納付要件
・障害状態要件
そして上記2つ目の保険料納付要件が以下になります。
初診日がある月の前々月までの被保険者期間で、国民年金の保険料納付済期間(厚生年金保険の被保険者期間、共済組合の組合員期間を含む)と保険料免除期間をあわせた期間が3分の2以上あること(初診日の前日までの納付または申請が終了していること)。
ただし、初診日が令和8年4月1日前にあるときは、初診日において65歳未満であれば、初診日の前日において、初診日がある月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がなければよい。
※20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、納付要件は不要。
障害年金制度は保険制度として運用されているため、このような「納付要件」というものが設けられています。
年金事務所へ相談へ行った際にも請求前に必ずこの納付要件を満たしているかどうかの確認があります(初診日がはっきり分かっている場合)。
この保険料納付要件はまず全体の3分の2を満たしているかどうかで確認するのですが、これを満たしていない場合は次に「直近1年間」で満たしているかどうかで確認を行います。
実はこの「直近1年」は時限立法で、「全体の3分の2要件」を満たさない場合の救済措置として設けられているものなのです。
この特例措置は1985年開始で、10年ごとに延長され続けています。
そして現在の特例措置は令和8年4月1日までとなっています。
今年の6月に第5回社会保障審議会年金部会が開かれたのですが、ここでもこの直近1年要件が議題になっています。
以下が議事録の抜粋になります。
このように、「この特例措置により障害年金の受給につながっているケースがある」と言及する一方で「歴史的な役割を終えている」とう言い方も見受けられます。
当事務所でもこの直近1年要件で請求に繋がったケースはかなり多く、この特例措置が打ち切られると納付要件を満たさず請求できないケースがかなり頻発すると考えられます。
さて、次回の改正でどうなるのか、動向に注目です。
今日はこの辺で。
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