令和4年1月1日より眼の障害年金認定基準が改正!徹底解説その③
2022年2月18日
みなさん、こんにちは。
1月から令和4年1月1日より新しく施行された眼の障害年金認定基準の詳細について順次アップしています。
今日は第3回目。
さて、前回視力障害に関する改正について解説しましたが、今日は視野障害に関する改正についてお話します。
▼合わせて読みたい▼
・令和4年1月1日より眼の障害年金認定基準が改正!徹底解説その①
・令和4年1月1日より眼の障害年金認定基準が改正!徹底解説その②
まず「視野に係る障害認定基準早見表①」と「視野に係る障害認定基準早見表②」をご覧ください。
※早見表は独自作成によるものなので使用の際は参考程度に。日本年金機構HPからより詳細な認定基準をご覧頂けます。
早見表①が1級及び2級、早見表②が3級及び障害手当金です。
①と②共通して、左側の太枠が障害年金における認定基準、さらにその太枠内左側が旧基準、右側が新基準となっています。
今回視野障害での大きな改正点の1つは自動視野計に基づく認定基準が創設されたことです。
旧基準においても少数ながら自動視野計で測定した検査数値でも診査は行われていました。
しかし診断書自体はゴールドマン型視野計(以下GP)に則したものとなっていたため、必然的にGP検査をするしかないというのが実情でした。
ところが新様式の診断書では自動視野計の基準創設に伴い、GPに加え自動視野計の検査数値を記入する欄が設けられました。
診断書の⑩欄(2)視野をご覧いただくとア.ゴールドマン型視野計、イ.自動視野計とありますね。
自動視野計では「両眼開放エスターマンテスト」と「10-2プログラム」の2種類の検査方法を用いることとされています。
「両眼開放エスターマンテスト」では、両眼を開放した状態で検査が行われます。
ちなみにこの「両眼開放」での検査はGPではありません。
中心30度と下半分を中心に120点の測定点のうち視認できた点数がイ.自動視野計(ア)の両眼開放視認点数の欄に記入されます。
一方、「10-2プログラム」は片眼ずつ測定し、中心10度以内に計68点の測定点が設けられ、視認できた点の数で判定が行われ、この数値はイ.自動視野計(イ)中心視野の評価(10-2プログラム)の両眼中心視野視認点数の欄に記入されます。
視野に係る障害認定基準早見表①を見ると1級の新基準においては「【自動視野計】両眼開放視認点数が70点以下、かつ、両眼中心視野視認点数が20点以下のもの」とありますので、例えば両眼開放視認点数が60点でかつ両眼中心視野視認点数が10点だった場合は1級になるといった具合です。
また旧基準では視野障害だけでは1級にはなりませんでしたが(最上位等級は2級)、新基準では視野障害のみで1級認定が可能となりました。
ここも大きな改正点の一つですね。
そしてもう一つ注意しておきたいこととして、新様式の診断書では旧様式の診断書にはあった視野図の記載が省略されたことに伴い、視野検査結果の添付が必須となりました。
そのため医師や病院側でうっかり添付忘れという事態も想定されることから、患者自身も診断書受け取りの際にはよく確認する必要があります。
それでは今日はこの辺で。