診断書がなくても障害年金は認定される?③
2020年3月18日
みなさん、こんにちは。
今日は3月6日にアップしたブログの続き(脳梗塞・60代・男性)についてお話したいと思います。
前回の内容を少しおさらいしますが、この男性は症状固定と診断された平成22年12月5日(初診日から約8ヶ月後)を障害認定日として請求を行うことにしましたが、B病院の理解に苦しむ理由により認定日当時の診断書を取得することができず、やむを得ず身障手帳を申請した際の診断書を提出することにしました。
しかしながら、5年遡及の認定日請求で認定されれば大きな金額が支払われることになること、また1年半以内の症状固定ということから日本年金機構も慎重に審査を行ってくることが予想されました。
さらに、当時の症状固定とされた身障手帳の診断書と現症の診断書を比較してみると現症診断書の方が重かったのです。
症状固定とした以降に症状の悪化をみたわけですから、これではつじつまが合わない部分もあり、長期にわたる争いが予想されました。そこで別紙申立書にて、身障手帳と障害年金の診断書に共通する箇所を列挙し、少なくとも筋力測定の様子から当時はすでに3級に該当していたこと等を強く訴えました。
結果は認定日当時2級、現症も2級という決定でした。
認定日当時の診断書は3級該当であると予想していましたが、総合的な判断が行われたのでしょうか。あっさり2級認定となったのです。
今回の請求で障害年金用の診断書が用意できなくても、その当時の症状を推察できるだけの公的資料があれば認定の可能性が十分にあることが明らかになりました。
特に今回のように脳血管障害等で初診から半年前後で症状固定として身障手帳が交付されているケースは珍しくないはずです。そして、今回のケースと同様、身障手帳のみ交付され障害年金は手つかずという事例もおそらくかなりの数にのぼるでしょう。
そういった際は、認定日当時の診断書を取得できないからといって安易に事後重傷請求にするのではなく、まず身障手帳発行時の診断書を取り寄せその中身を吟味し、それをもって何とか認定日請求にもっていけないかを検討する必要があります。
これまでの慣例やマニュアルに縛られるのではなく、臨機応変にその都度対応していくことが求められます。
時に不可解な認定がなされることも多い障害年金ですが、今回のように柔軟に審査がなされる場合もあるわけですから、端からあきらめるのではなく、やれるだけのことはやってみようというその心掛けが思わぬ結果をもたらしてくれることもあるでしょう。
それでは今日はこの辺で。
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