診断書がなくても障害年金は認定される?①
2020年2月28日
みなさん、こんにちは。
今日は脳梗塞(60代・男性)で障害年金申請した事例についてご紹介したいと思います。
請求人/60代・男性
傷病名/脳梗塞
請求方法/認定日請求
請求年金/障害厚生年金
平成22年4月10日、男性は仕事中に手や足、顔面に違和感を覚え意識を消失しました。
すぐにA病院へと救急搬送され、何とか意識を取り戻したものの、体に激しい痛みを感じました。すぐに頭部MRI撮影を行ったところ、新鮮梗塞が認められました。
その後男性は身体の麻痺に加え、断片的に記憶がなくなる、家族の顔が分からなくなる等の症状が出現したためすぐに1週間ほど薬物療法が行われました。
しかし症状が一向に改善せずB病院へ転院。
B病院にて精密検査を行った結果、右脳幹梗塞との診断を受けました。医師より手術は不可との説明を受け、その後男性は左不全麻痺が残存しました。
男性はただちに通所によるリハビリを開始。
若干の機能回復はみられたものの、左上肢は機能全廃し、著しい機能障害が残りました。B病院の医師はこの時点で症状固定であると判断し、発症からおよそ8ヶ月後の平成22年12月5日を症状固定日として、身体障害者手帳2級が交付されました。しかし、障害年金についてのアナウンスはなかったため、その制度さえ知りませんでした。
その後は機能回復を目的としたリハビリではなく、QOL向上のためのリハビリを定期通院により行いました。
現在男性は左半身に麻痺が残存しているため、右半身に頼る生活を余儀なくされており、歩行時はT字杖を使用しています。
さて、この男性の障害認定日はいつでしょうか。
障害認定日の考え方は原則として初診日から1年半後ですから、そうすると平成23年10月10日になります。
しかしながら、脳梗塞や脳出血等で肢体に機能的麻痺が残存し、それ以前に症状固定と判断されるような場合はその日を障害認定日と捉えることができます。
この男性も初診日からおよそ8か月後に症状固定として身障手帳が発行されていますので、その症状固定日とされた平成22年12月5日を障害認定日として、認定日請求を行うことにしました。
そこで、B病院に認定日請求を行うため平成22年12月当時の診断書が必要であることを説明。しかしB病院は認定日当時の診断書記載を頑なに拒否(当時の医師が在籍していない、病院の方針として過去の診断書は記載しない等)したため診断書を取得することができませんでした。
それでは次回に続きます。
※個人情報保護のため初診日や認定日等は実際の日付と異なります。