業務災害とは(労災①)
2020年1月31日
みなさん、こんにちは。
こちらのブログではこれまで主に障害年金についてお話してきましたが、最近働き方改革等で労働環境の在り方について注目が集まるようになり、労災に関する問い合わせも増えてきました。
そのため、今年は労務に関する記事についても少しずつ触れていこうと思います。
今日は労災についてお話しますが、労災には「業務災害」と「通勤災害」の二つの保険事故があります。
業務災害とは、仕事中の災害が原因となって起きた病気やケガのことを言います。
つい最近、東京都渋谷区のマンションで玄関のひさしが崩落し、一人の作業員が死亡するといった事故がありましたが、これはまさに業務災害に当たります。
負傷や死亡によりこの業務災害と判断されるためには、まず業務に従事している際に生じた事故であることが必要です。
そのため、休憩中や始業前・始業後の災害については原則として認められません。
しかし、出張中の災害については私的な逸脱行為(泥酔して転倒したことによる負傷等)を除いては、その全般が事故として認められます。(例えばホテルで就寝中の事故もその対象)
また、疾病による具体的判断というものもあり、これは労働基準法に定められています。
具体的な疾病として心筋梗塞や脳梗塞、精神障害(うつ病等)等が挙げられます。
労災認定で最も多いとされる脳・心臓疾患による過労死や精神障害に関する認定基準も具体的に定められています。
過労死と認定される基準としては、傷病を発症する前1ヵ月間に概ね100時間、傷病を発症する前2ヶ月~6ヶ月の間に1ヶ月あたり概ね80時間を超える時間外労働(いわゆる残業時間)があったこと等が挙げられます。
精神障害として認定される基準としては、傷病を発症する直前の1ヶ月に概ね160時間を超える時間外労働があった場合等が挙げられます。
このように全ての事故が労災による業務災害になるわけではなく、具体的な判断基準が設けられています。
それでは次回は通勤災害についてお話したいと思います。
今日はこの辺で。