間質性肺炎(在宅酸素療法)・2級認定は可能か?⑤
2018年5月17日
みなさん、こんにちは。
前回、審査する上で重要となる検査数値は在宅酸素投与化で行われるか否かについてお話しました。
当事務所事例の20代男性の検査成績を見ると、日本法令出版の「障害年金審査請求・再審査請求事例集」(case3-22)で紹介されたAさんに比べ重症度は低く、2級認定は困難であると思われました。
そのため検査成績に加え男性の日常生活状況を丁寧に申し立てる必要がありました。一つ着目したのは、この男性が栄養不良状態であるということでした。
体重は明らかに成人男性としては低く、自宅でのトイレや入浴など最短距離で動ける環境を作ってもなお苦しい状況であるということ等を主張しました。
結果、この男性は2級認定となりました。
当然審査請求にもつれ込むであろうと予想されましたが、すっと通ったのです。
障害年金請求においてままあることですが、審査する側によって認定結果が大きく異なるということが分かりますね。
また、今回のケースは認定基準だけにとらわれて請求してはいけないという良い事例だったように思います。
例えば人口肛門の装着は3級、在宅酸素療法施行の場合は3級というふうに決めつけるのではなく、それは最低保証であるという意味で総合判定により上位等級を狙える可能性は十分にあるのです。
障害認定基準は最も重要な指針ではありますが、それだけにとらわれると本質を見失う可能性があります。提出する前から等級を決めつけるのではなく、症状や生活実態等を慎重に加味して検討しなければなりません。
やはり、請求してみなければ分からない、ということが実情かも知れません。
それでは今日はこの辺で。
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