5年以上前のカルテに記載された内容は初診証明となる
2017年6月9日
みなさん、こんにちは。
今日は初診日認定の取扱いについてお話します。
初診日に関してはこれまでも何度か触れてきましたね。障害年金を請求する際、最初に行う作業が「初診日の確定」です。この初診日を起点にして納付要件を満たしているかどうか、またどの年金制度に加入していたかを確認します。
以前まで日本年金機構はこの初診日が確定できないと、いくら未納がなくても障害年金を認めないケースが少なくありませんでした。しかし、平成27年10月1日より「障害年金の初診日を明らかにすることができる書類を添えることができない場合の取扱い」についての通知が発出されました。
この通知には「初診日の取り扱いをもっと柔軟にしましょう」といった旨の内容が書かれています。まず通知の中にある以下の文言をご覧ください。
第3 その他の初診日の取扱いについて
1.請求者の申し立てに基づき医療機関が過去に作成した資料の取扱いについて
請求の5年以上前に医療機関が作成した資料(診療録等)に請求者申立ての初診日が記載されている場合には、初診日と認めることができることとする。
上記文言では、「5年以上前のカルテに初診日が記載されていれば、それを初診日と認める」とあります。
過去に担当した案件でこのような事例(50歳・男性)がありました。男性は10代の頃に請求傷病で病院を受診していましたが、その病院はすでに廃院していたため初診証明を取ることができませんでした。
そこで、これまで受診してきた病院を1件1件あたり、カルテに10代の頃に受診したことをうかがわせるような内容の記載がないか探す作業を行いました。
すると、20代の頃受診した病院のカルテの中に「10代の頃に受診した」といった記載が見つかったのです。
これは請求時より5年以上前のカルテに記載されていたため、初診日を証明するための的確資料として認められました。
このように、請求時より5年以上前の証言であれば初診証明に代替することができます。
そして、このような作業をしてもなお証明が取得できない場合に最後の手段として「第三者証明」が登場することになります。
次週はこの第三者証明について解説したいと思います。
それでは今日はこの辺で。
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