脳性麻痺と右聴神経腫瘍 ― 2つの傷病で「初めて2級」を請求した事例③
2026年10月30日
みなさん、こんにちは。
今回も、前回(10月22日分)に引き続き坂本さん(仮名)の障害年金請求についてお話ししたいと思います。

前回は、自治体から障害者手帳の交付申請書を取り寄せたことにより、前発傷病である脳性麻痺が後発傷病である右聴神経腫瘍よりも前から存在していたこと、また、脳性麻痺単独では2級以上の障害状態ではなかったと考えられることを確認できたところまでお話ししました。
こうして「初めて2級」として請求するための資料が整ったことから、後発傷病である右聴神経腫瘍の初診日に加入していた共済組合へ障害年金を請求することになりました。
そして審査の結果、坂本さんは無事、障害等級2級として決定されました。
今回の坂本さんの事例では、脳性麻痺と右聴神経腫瘍という、因果関係のない2つの傷病による障害が身体の同じ部位に現れていました。
そのため、それぞれの傷病による障害を明確に切り分けて診断書を作成することが難しいという問題がありました。
しかし、このような場合であっても、「初めて2級」という請求方法を検討することによって、障害年金の請求につなげることができる場合があります。
また初めて2級を検討する場面は、このようなケースだけではありません。
以前この請求方法について解説したブログでもお話しましたが、例えば、最初の傷病の初診日が国民年金加入中や20歳前にあり、その障害だけでは2級以上に該当しないため障害基礎年金を受給することができない場合でも、その後、別の傷病による障害が加わっているのであれば、二つの障害を合わせることによって2級以上に該当しないかを検討する余地があります。
前発傷病だけを見て「2級には届かないから障害年金は難しい」と判断するのではなく、その後に生じた別の障害も含めて考えることが大切です。
さらに、前発傷病について保険料納付要件を満たすことができず、それまで障害年金の請求を諦めていたような場合であっても、後発傷病について保険料納付要件を満たしていれば、初めて2級として請求できる可能性があります。
障害年金の請求方法は、必ずしも一つではありません。
傷病の発症時期や初診日、加入していた年金制度、保険料の納付状況、複数の障害がある場合にはそれぞれの障害状態などによって、検討すべき請求方法は様々です。
一見すると請求が難しいように思えるケースであっても、別の請求方法から考えてみることで、請求の可能性が見えてくることがあります。
今回の坂本さんのケースも、身体の同じ部位に二つの傷病による障害が混在していたため、通常の方法では診断書の作成が難しい事例でした。
しかし初めて2級という方法を検討し、その要件を確認するための資料を一つずつ探していくことで、最終的に2級という結果となりました。
障害年金の請求を考える際には、一つの方法だけで判断するのではなく、ご自身の傷病歴や障害状態に応じて、どのような請求方法が考えられるのかを幅広く検討することが大切です。
それでは今日はこの辺で。
▼合わせて読みたい▼
・脳性麻痺と右聴神経腫瘍 ― 2つの傷病で「初めて2級」を請求した事例①
・脳性麻痺と右聴神経腫瘍 ― 2つの傷病で「初めて2級」を請求した事例②


