脳性麻痺と右聴神経腫瘍 ― 2つの傷病で「初めて2級」を請求した事例②
2026年10月22日
みなさん、こんにちは。
今回は、10月2日に掲載したブログの続きについてお話ししたいと思います。

前回は、坂本さん(仮名)の請求で「初めて2級」という請求方法を採用するにあたり、確認しておかなければならない点があることについてお話ししました。
一つは、前発傷病である脳性麻痺が、後発傷病である右聴神経腫瘍よりも前に初診日があること。
そしてもう一つは、前発傷病である脳性麻痺が、それ単独では2級以上の障害状態に該当していないことです。
坂本さんの場合、この2点を確認できる資料を探す必要がありました。
まず問題となったのが、脳性麻痺についての資料です。
坂本さんが脳性麻痺で医療機関を受診したのは幼少期のことであり、すでにかなりの年月が経過していました。
一方、後発傷病である右聴神経腫瘍については、平成22年頃に脳ドックを受けた際に疑いを指摘され、その後、精査によって確定診断を受けています。
そのため、「初めて2級」として請求するためには、前発傷病である脳性麻痺の初診が、それよりも前であったことを確認できる資料を探す必要がありました。
そこで着目したのが、坂本さんが以前から所持していた障害者手帳です。
坂本さんは、昭和60年頃に脳性麻痺による障害を理由として障害者手帳の交付を受けていました。
そこで、当時の障害状態や手帳の交付時期が分かる資料が残されていないか、障害者手帳を申請した自治体に確認し、更新前の障害者手帳の内容が分かる交付申請書を開示請求することにしました。
取り寄せた交付申請書を確認すると、障害者手帳の交付年月日は1985年となっていました。
つまり、少なくとも1985年の時点ですでに脳性麻痺による障害が存在し、障害者手帳の交付を受けていたことが確認できたわけです。
これにより、平成22年頃に初診となった後発傷病の右聴神経腫瘍よりも前に、前発傷病である脳性麻痺が存在していたことを裏付けることができました。
そして、この交付申請書には、もう一つ非常に重要な記載がありました。
そこには、
「脳性麻痺による右下肢機能障害(4級)」
「脳性麻痺による右手全指機能障害(4級)」
と記載されており、これらを併合して障害者手帳3級とされていたことが分かりました。
「初めて2級」による請求では、前発傷病だけですでに2級以上の障害状態に該当していないことも確認する必要があります。
もちろん、障害者手帳と障害年金では認定基準が異なるため、障害者手帳が3級であったからといって、そのまま障害年金でも3級になるというものではありません。
しかし、それぞれの認定基準には似通っている部分も多く、少なくとも当時の脳性麻痺による障害状態が、単独で2級以上ではなかったことを推測するための一つの重要な資料となりました。
こうして自治体から取り寄せた一つの資料によって、「脳性麻痺が右聴神経腫瘍よりも前から存在していたこと」そして、「脳性麻痺単独では2級以上の障害状態ではなかったと考えられること」の双方を確認することができました。
これで、「初めて2級」として請求するための資料がようやく整うことになりました。
次回は、実際にどこへ障害年金を請求したのか、そして審査の結果についてお話ししたいと思います。
それでは、今日はこの辺で。
※個人情報保護の観点から、受診時期や手帳の交付時期等は実際の日付と異なります。
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