障害年金の等級はどのように決まるのか?②~精神障害編~
2026年5月29日
みなさん、こんにちは。
今日は、5月21日に掲載したブログの続きについてお話ししたいと思います。

前回は、精神障害における等級判定のためのガイドラインについてご紹介しました。
今回は、実際の診断書を例に挙げながら、その診断書が障害等級の目安において何級相当に該当するのかを、具体的に確認していきたいと思います。
まずはこちらの診断書をご覧ください。
今回ご紹介するのは、以前当事務所で障害年金請求を行った方の事例です。
病名は「うつ病」で、治療歴は約5年の方でした。
この方(以下、小倉さん・仮名)は、家族の世話や、職場で責任ある立場を任されたことによる強いストレスから、不眠や抑うつ症状が現れるようになりました。
その後、心療内科を受診し、うつ病と診断。
医師の指示により直ちに休職し、治療に専念されましたが、症状は十分に改善せず、最終的には退職を余儀なくされました。
退職後は閉居傾向が強まり、自宅で過ごす日々が続き、体重も10キロ以上減少しました。
さらに、病状悪化の一因となっていた家族との距離を置くため、単身生活を開始。
また、生活費を確保するため、アルバイトにも従事されていました。
それでは、小倉さんの診断書裏面に記載されている「2 日常生活能力の判定」を見ていきましょう。
この項目は4段階で評価されており、左から右へ進むにつれて、日常生活上の支障が大きいことを示す内容となっています。
続いて、「3 日常生活能力の程度」をご覧ください。
こちらは(1)から(5)までの5段階評価となっており、数字が大きくなるほど重症度が高いという評価になります。
なお、この欄は「精神障害」と「知的障害」に分けて記載する形式となっており、小倉さんの場合はうつ病であるため、「精神障害」の欄にチェックが入っています。
ここで、再度「2 日常生活能力の判定」に注目してみましょう。
障害等級の目安における「判定平均」を計算する際には、それぞれの評価に点数を割り振って計算を行います。
具体的には、
・「自発的にはできるが時には助言や指導を必要とする」=2点
・「自発的かつ適正に行うことはできないが助言や指導があればできる」=3点
・「助言や指導をしてもできない若しくは行わない」=4点
として扱われます。
「適切な食事」や「身辺の清潔保持」など、さまざまな生活場面ごとに評価が行われますが、ここで注意しなければならない点があります。
それは、ご家族と同居されている場合であっても、「もし一人暮らしであったなら、どの程度日常生活を送ることができるか」という視点で判断を行う必要があるという点です。
また、この判定項目は、どちらかといえば知的障害の方を想定して作られている側面があります。
そのため、精神障害の方については、ご自身の病状や実際の生活状況を適切に反映できるよう、具体的な困りごとを踏まえて判定してもらうことが重要となります。
さて、これらの点数を合計し、7で割った数字が、障害等級の目安表における縦軸の「判定平均」となります。
小倉さんの場合は、すべての項目において左から3番目にチェックが付されていました。
そのため、3点×7項目で合計21点となり、これを7で割ると「3.0」となります。
したがって、障害等級の目安表では「3.0以上3.5未満」に該当することになります。
次に、横軸の「程度」ですが、これは「3 日常生活能力の程度」の評価を指しています。
小倉さんの場合は(4)にチェックが入っていました。
このように、縦軸の「判定平均」と横軸の「程度」が交わる箇所を見ることで、その診断書における障害等級の目安を確認することができます。
小倉さんの場合、該当箇所は「2級」となっているため、診断書上は「障害等級2級相当」と判断されることになります。
もっとも、この表はあくまでも「目安」であり、実際の審査では診断書全体の内容や就労状況、日常生活状況なども含めて総合的に判断されます。
そのため、表だけで認定結果が決まるわけではない点には注意が必要です。
それでは次回は、この障害等級の目安以外にどのような事情が審査対象となるのかについて、詳しく解説したいと思います。
本日はこの辺で。
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