障害年金の初診日証明をめぐる誤解と実務上の問題点ー障害年金相談で起きたある事例②
2026年2月5日
みなさん、こんにちは。
今日は1月30日にアップしたブログの続きについてお話します。
※プライバシー保護のため、以下では仮名を用い、「橋口さん」とします。

さて、A病院は気を利かせ、年金事務所に対し「カルテは残っていないが、会計記録、受診日、当時の診断名、レーザー治療を実施した事実については確認できる」と連絡をしてくれたのですが、それにもかかわらず、年金事務所の職員は「カルテがないのであれば、受診状況等証明書は作成しなくてもよい」と説明したとのことです。
これだけの情報がそろっていれば、初診証明として十分に成立します。
行政の窓口において、このような対応がなされること自体、極めて問題があると言わざるを得ません。
結果として、請求者が本来有している障害年金の請求権を奪っているとも評価されかねない事案であり、場合によっては後に争いとなっても不思議ではありません。
なお、橋口さんは大学卒業後、一貫して厚生年金に加入しており、保険料の納付要件については全く問題のない方でした。
このような納付記録が非常に良好な方に対して行われる対応としても、適切とは言えません。
今回の事例から強く感じることは、窓口職員の誤った知識や対応によって、全国で多くの方が障害年金を請求する権利そのものを失っているのではないかという懸念です。
実際、年金事務所の窓口職員の知識や対応にはばらつきがあり、「当たり外れがある」というのが実情です。
中には、障害年金の相談に行った際、「ここまで歩いて来られたのだから障害年金は請求できません」と言われ、その言葉を信じて請求自体を諦めていたという方も実際にいらっしゃいます。
年金事務所の窓口では適切で誠意ある対応が行われていることがほとんどだとは思いますが、残念ながら中には上記のような例も散見されることから、説明された内容が必ずしも正しいとは限りません。
障害年金について少しでも疑問や不安を感じた場合には、窓口での説明を鵜呑みにせず、専門家へ相談することが重要な場合もある、ということを知っていただきたいと思います。
今日はこの辺で。
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