障害年金。保険料の納付要件とは?
2023年8月31日
みなさん、こんにちは。
今日は障害年金を請求する前に必ず確認しておきたい「保険料納付要件」についてお話しします。
障害年金には3つの受給要件があり、一つは加入要件、二つ目に障害状態要件、そして最後に今回お話しする保険料納付要件です。
保険料とは、老齢年金や遺族年金にも共通して納付義務があるもので、国民年金は20歳から納付義務が発生します。そして厚生年金は会社勤めの方が会社と折半して支払う保険料のことを指します。
まずは以下の保険料納付要件についてご覧ください。
初診日の前日に、初診日がある月の前々月までの被保険者期間で、国民年金の保険料納付済期間(厚生年金保険の被保険者期間、共済組合の組合員期間を含む)と保険料免除期間をあわせた期間が3分の2以上あること。
ただし、初診日が令和8年4月1日前にあるときは、初診日において65歳未満であれば、初診日の前日において、初診日がある月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がなければよい。
※20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、納付要件は不要。
上記が納付要件となりますが、例えば令和3年6月2日が初診日の方は6月の前々月、つまり令和3年4月までの被保険者期間で納付した期間が免除期間(例えば半額免除の場合は残り半分を納めていること)を含め3分の2以上あれば、納付要件を満たすことになります。
ただし令和8年4月1日までの時限的な救済措置となっていますが、上記において納付要件を満たさない場合であっても直近1年要件を満たしていれば請求することができます。
こちらは例えば同じ令和3年6月2日が初診日である場合、令和3年6月1日までに納付が完了しており、令和3年4月までの1年間に未納がなければ請求することができます。
この納付要件を見ればお分かりのように、障害年金の保険料納付要件は非常に厳格で、初診日に保険料を納付してもそれは納付済期間にはカウントされません(初診日の「前日」までに納付)。
また、納付月が僅か1ヶ月足りない場合でも救済措置はなく、障害年金を請求する権利は与えられません。
厚生年金であれば給料から天引きされるため払い忘れといったことが発生することはありませんが、国民年金だった時に納付を忘れていた、また経済的な事情で納付できなかったという理由で未納のまま放置していた方は少なくありません。
経済的な事情で納付できない場合は免除申請や納付猶予を申請することもできる場合があるので必ず手続きしておく必要があります。
これまで当事務所でも納付必要月数が僅か数ヶ月足りず、請求が叶わなかった事例をいくつも見てきました。
また、何とか納付要件を満たしたような場合でも未納期間が多いと、初診日の証明が取得できないケースでは審査自体が非常に厳しくなることもあります。
それでは次回、上記理由により請求困難事例となったケースについて紹介したいと思います。
今日はこの辺で。
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