初めて2級で請求したケース(網膜色素変性症/緑内障)①
2020年7月31日
みなさん、こんにちは。
今日は「初めて2級」で請求した事例についてお話したいと思います。
請求人/40代・女性
傷病名/網膜色素変性症・緑内障
請求方法/初めて2級
請求年金/障害厚生年金
女性は出生時より視力良好。小学校へ入学後は近視により眼鏡を使用し始めましたが、網膜色素変性症の初期症状である夜間での見えづらさ等の自覚もなく、健康診断や眼科で眼の異常を指摘されることはありませんでした。
その後中学、高校でも夜間での見えづらさや視野狭窄や羞明等、当疾病の病識は全くなく、周囲の同級生と同じように学校生活を過ごしました。
高校卒業後は一般企業へ就職。就職後も見え方に不便を感じることはありませんでしたが、女性が30歳を迎えた頃、夜間での見えづらさを自覚するようになります。
加えて視力低下の自覚もあったため、平成11年2月頃、自宅近くのA眼科を受診。
初診時医師より精密検査を要するとのことで、検査の結果、網膜色素変性症との診断を受けました。
医師からは特段の治療法がないとの説明を受けたため、以後経過観察のみとなりました。
このA病院に5年ほど通院した後、平成16年5月頃、網膜色素変性症の専門医がいるB病院へ転院。
そこで改めて精密検査をすると緑内障を併発していることが判明。その両疾患が合わさり症状の進行が見られたため、このB病院で身障手帳の発行となりました。
その後平成22年10月頃には現在通院中のC病院へ転院。緑内障は眼圧上昇が認められたため点眼治療に加え、レーザー虹彩切開術が施行されました。
さて、女性はA病院を受診した際には網膜色素変性症のみの診断でしたが、その5年後に受診したB病院で緑内障の併発を指摘されています。
このように同じ視覚障害において、別傷病が混在する場合どちらの傷病が原因で現在の障害状態に至ったのか判断することはできず、2つの障害(網膜色素変性症と緑内障は別傷病)を分けて考えることはできません。
この女性の場合でまず考えなければいけないのは、網膜色素変性症のみで遡及請求ができないかということですが、当時はまだ軽症で経過観察の指示であったため定期的に診察・検査を受けておらず、初診日から1年半後の診断書(障害認定日)を用意することはできませんでした。
そういった場合、傷病の混在という問題を解決するために出てくるのが「初めて2級」という請求方法です。
それでは次回、初めて2級について詳しくお話したいと思います。
今日はこの辺で。
※個人情報保護のため受診日等は実際と日付と異なります。