審査請求で原処分変更となった事例➃(単心室・単心房・共通房室弁・無脾症候群/20代男性)
2020年5月1日
みなさん、こんにちは。
今日は4月24日にアップしたブログの続きについてお話したいと思います。
前回、新たな検査成績を用いた診断書と認定基準(心疾患による障害)を照らし合わせて2級該当となるかどうかについて考察しました。
再請求を行うにあたり、前回列挙した2級該当となる箇所を含め一つ一つ丁寧に書き出し、認定基準において明確に2級以上となる部分にマーカーを引き提出しました。
また機構は不支給理由について就労については言及しませんでしたが、念のため男性が会社から大きな配慮を受けていることもしっかりと申し立てました。
結果は審査請求分が決定する前に、あっさりと再請求分が2級決定となりました。
この再請求分が決定したことで審査請求についても2級決定となると確信を得ることができました。
なぜなら、認定日当時の診断書と再請求にて提出した診断書はほとんど同じ検査成績だったからです。
新規裁定において男性が請求した際は認定日及び現症ともに不支給であったにもかかわらず、不支給となった診断書とさほど変わらない診断書である再請求がなぜすんなり認定されるのでしょう。
大きな矛盾を感じました。
その後案の定、日本年金機構から審査請求について原処分変更の決定通知が届き、認定日当時も2級であることが認められました。
男性から審査請求の依頼を受けた際、障害年金センターへ不支給理由について問い合わせると「検査数値が認定基準に達していない」ということ、また「どの検査成績が認定基準に達していないかについては複雑な事例のため答えることができない」といった回答でした。
こういった曖昧な言い回しから、機構側はどの検査数値が足りていないのかをよく理解していなかった可能性もあります。
今回認定日請求(5年分の遡及)のためかなり大きな金額が動くことから機構側もより慎重な判断を行ったと思いますが、やはり認定の行われ方については大きな疑問が残る形となりました。
この男性のように遡及請求や就労が絡む請求については新規裁定において安易に落とされるケースはままあります。
時には新規裁定から診断書のどの部分が該当しているのかを認定基準を用いしっかりと訴えておくこと、また就労状況についてはどのような配慮を受けているのか等についてしっかり申し立てることも必要でしょう。
それでは今日はこの辺で。
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・審査請求で原処分変更となった事例③(単心室・単心房・共通房室弁・無脾症候群/20代男性)