初診日と社会的治癒の解釈とは
2019年12月13日
みなさん、こんにちは。
前回具体例を用いて社会的治癒についてお話ししましたね。
今日は11月22日にアップした男性(48歳・大動脈弁狭窄症)の例を用いて社会的治癒について考察します。
この男性の場合、中学3年生時にA病院を受診しておりそこで「大動脈弁狭窄症である」と診断されています。
そして平成8年10月20日(25歳時)、B病院にて経皮的大動脈弁バルーン形成術が施行されました。
その後平成22年12月5日(39歳時)、C病院を受診。平成24年1月20日、D病院にて大動脈弁人工弁置換術が施行されました。
障害年金では人工弁の装着は3級該当であるためこの男性のケースではA病院を初診日として請求することはできません。(20歳前傷病は障害基礎年金となり障害等級が2級までしかないため)
日常生活状況によっては更に上位等級を狙うこともできますが、男性は請求当時、日常生活において特に大きな支障はなく厚生年金に加入しフルタイムで働いていたため2級以上にはなりません。
なお弁疾患2級該当は以下のいづれかに該当する必要があります。
(日本年金機構・心疾患による障害等級認定基準より)
※
一般状態区分表・・・診断書表面の2
臨床所見・・・診断書表面の4
異常検査所見・・・心疾患による障害等級認定基準P65に記載
平成8年10月20日B病院にて経皮的大動脈弁バルーン形成術が施行されたときは厚生年金に加入していましたが、平成22年12月5日C病院を受診した日を初診日とし、平成24年1月20日D病院にて大動脈弁人工弁置換術が施行された日を障害認定日として請求することで遡及請求が可能であると考えられたため(初診日から1年半以内に人工弁置換が施行されている場合はその日が障害認定日)、平成22年12月5日に受診したC病院が初診日であると主張し請求を行いました。
またこの男性の場合、平成8年10月20日B病院にて経皮的大動脈弁バルーン形成術を受けそれ以降は厚生年金に加入しフルタイムで就労し、当疾病において病院を受診することもなく日常生活においても大きな支障がなかったことを踏まえ社会的治癒を援用できるものと判断しました。
それでは次回に続きます。
今日はこの辺で。
※個人情報保護のため生年月日や受診日等は実際の日付とは異なります。
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