社会的治癒とは
2019年12月6日
みなさん、こんにちは。
今日は11月22日にアップしたブログの続きについてお話します。
前回大動脈弁狭窄症(48歳・男性)で社会的治癒を援用した事例についてお話ししましたね。
そもそも社会的治癒とはどのようなケースで利用できる制度でしょうか。
社会的治癒とは、病気がたとえ完全には治っていなくても、症状が安定して治療を要さなくなった状態のことを言います。
決して医学的根治を指すものではなく、寛解状態にあり長期にわたり社会生活を営むことができた状態のことを指すわけです。
具体例として以下のようなケースがあります。
16歳のときに統合失調症を発症しA病院を受診。22歳まで入退院を繰り返し、薬物療法及び定期通院を継続しましたが、症状が軽快し大学卒業後は一般企業に就職。
その後も薬物療法を継続していたものの、症状が悪化することはなく他の労働者と同等の社会生活を送っていたそんな矢先、30歳を迎えた折、再び傷病が悪化。B病院を受診しました。
このようなケースでは初診日は16歳のときに受診したA病院にはせず、22歳から30歳までの間社会的に治癒していたものとみなし、30歳の時に再発したものと取り扱いB病院を新たな初診日として請求します。
上記例のように社会的治癒は1年に1度経過観察のため通院していたケースや服薬をしていても社会的治癒が認められた裁判例もあります。
また社会的治癒の援用にあたっては、社会復帰し通常の生活を送っていた期間は少なくとも概ね5年が目安となります。
また5年以上の期間、アルバイト等の勤務形態に融通のきく働き方ではなく、厚生年金に加入しフルタイムで就労していた事実があるとより社会的治癒が認められやすい傾向にあるといえます。
それでは次回はこの社会的治癒を援用して大動脈弁狭窄症で請求した男性の具体例をお話しします。
今日はこの辺で。
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