聞きなれない「はじめて2級」とは?
2018年5月25日
みなさん、こんにちは。
今日は「はじめて2級」についてお話したいと思います。
はじめて2級とは、一つの障害だけでは等級非該当のものを、複数の障害と合わせることで初めて等級(2級もしくは1級)に該当するような事例をいいます。
このはじめて2級で請求するケースは非常に珍しく、請求件数としてはあまり多くありません。またはじめて2級は二つの障害を合わせて請求するケースが多く、先に負った障害を前発傷病、その後新たに負った障害を後発傷病(基準傷病)と呼んでいます。
この制度は前発傷病だけでは2級以上に該当しないとき(前発傷病の初診日が国民年金加入期間等で2級以上の該当が必須のようなケース)に後発傷病を合わせることで2級に該当させる方法ですが、「はじめて2級」で請求する場合まずは本当に前発傷病単独で2級が取れないかどうかを確認する必要があります。
もし前発傷病が2級に該当するようであれば、その障害だけで認定日請求が行えないかを考えなければなりません。
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「はじめて2級」は一つの障害だけでは等級該当しなかったり認定日請求できない場合に利用する制度のため、請求における選択順位としては低いと考えるようにしましょう。
また、「はじめて2級」は後発傷病における初診日や納付要件が採用されるため前発傷病における初診日の証明や納付要件を満たす必要は一切ありません。診断書に関しても前発傷病及び後発傷病全ての障害において現症の診断書を提出すればよく、過去の障害状態を表す診断書の提出は不要です。
それはつまり、事後重症請求と同じ扱いになるため、「はじめて2級」を利用して遡って請求することはできないことになります。
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具体例として、25歳のときに発症したうつ病が国年加入期間で3級相当だとします。
その後うつ病が改善することなく40歳のときに交通事故に遭い杖をつく生活になりました。交通事故のあった当時厚生年金に加入していた場合、後発傷病の初診日は厚生年金になりますね。うつ病が3級の状態を保っており、かつ交通事故によって負った障害も3級相当であるなら、2つの障害を合わせてはじめて2級になるよう請求を行います。
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それでは次週は当事務所で行った「はじめて2級」の請求事例をご紹介します。
今日はこの辺で。