身体障害が2つ以上ある場合(労災⑦)
2020年11月12日
みなさん、こんにちは。
今日は久しぶりに労災に関するお話です。
以前障害補償年金について解説しましたが、労災は他の制度に比べかなり手厚いので障害年金とは違い1級~14級まで(8級~14級は一時金)の等級が存在します。
前回申し上げましたが、障害補償年金は傷病が治癒した後、身体に障害が残った場合に受け取れる給付であるため、傷病が再発した場合は失権します(休業補償給付や傷病補償給付は復権する)。
また、一つの業務災害で身体に障害が二つ以上残った場合については重い方の障害の等級が給付されることになります。
例えば、14級の障害と8級の障害が残存した場合は重い方の8級の障害補償年金が支給されます。
また、以下のパターンに該当する場合は等級の繰上げが行われます。
①13級以上に該当する身体障害が2つ以上残存する場合➤一つ等級繰上げ
②8級以上に該当する身体障害が2つ以上残存する場合➤二つ等級繰上げ
③5級以上に該当する身体障害が2つ以上残存する場合➤三つ等級繰上げ
例えば①のパターンですが、7級/10級/13級の3つの障害を有する場合は最重度である7級が一つ繰り上がり、「6級」が給付されることになります。
②のパターンの例でいうと、5級/8級の障害を有する場合、重い方の5級が二つ繰り上がり、「3級」が給付されます。
このように業務中の事故で体に二つ以上の障害を負った場合は、等級が引き上がるといった仕組みになっています。
それでは今日はこの辺で。
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