認定日から3ヶ月以内の診断書じゃなくてもいい?
2017年11月10日
みなさん、こんにちは。
前回障害年金の2つの申請方法についてお話しましたね。
今日はその2つの申請方法の一つ、認定日請求についてもう少し詳しく触れたいと思います。
前回お話したように、認定日請求は認定日(初診日より1年6カ月経過した日)が過ぎた後に障害年金請求を行う場合、たとえ10年前から症状が障害等級に該当していたとしても過去5年分までしか支給されません。
そしてこのように遡って受給する場合は認定日当時の障害状態を示す診断書の提出が必要です。
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大原則として認定日から3ヶ月以内の診断書でなければなりませんが、変則的にそれ以外の診断書でも認定日請求が認められるケースもあります。
先月網膜色素変性症(40代・男性)の事例を紹介しましたが、この男性も認定日当時から3ヶ月以内の診断書ではありませんでしたが認められたケースです。
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この男性の場合、認定日から3ヶ月以内に視野検査は行っておらず、認定日当時の障害状態を示す診断書を取得することができませんでした。そこで、認定日を挟み込むような形で2枚の診断書を取得することにしました。
まず、認定日直近の検査データ(認定日より半年前)をもとに作成された診断書を取得し、次に認定日より4か月後の診断書を取得しました。
その認定日を挟み込んだ2つの診断書の数値を見比べてみると、どちらも十分に障害等級に該当していました。網膜色素変性症は進行性の難病で現在の医療では改善が見込めない疾患です。つまり良くなることはない、不可逆であるということです。
すなわち、その2つの間に挟み込まれた認定日当時も同等の障害状態にあったことが強く推察されるわけです。そこで認定日を挟み込むような形で、認定日前後2枚の診断書を提出することにしました。
認定日の前後が障害等級に該当しているわけですから、認定日においても当然同じ障害状態であったという主張で請求を行いました。
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この男性の場合、2枚の診断書で認定日請求が認められ無事5年分の遡及決定となりました。
この方法は眼の障害に限らず、精神障害や肢体障害等他障害においても利用することは可能であると考えられます。
認定日請求は初診日から「1年半経過後3か月以内」という非常に限定的な診断書が求められるため、そう頻繁に検査を行わないような疾患の場合、当時の検査データが存在しないために診断書を取得できないというケースは珍しくありません。
当時の診断書が取得できないと簡単にあきらめてしまうのではなく、何かいい方法はないかと知恵を絞る。定型化された請求方法だけに囚われていては道は開きません。
それでは今日はこの辺で。