初診日が証明できない!そんなときは初診日を「ある一定期間内」に絞り込む
2017年6月30日
みなさん、こんにちは。
今日は「初診日が一定の期間内にあると確認された場合の初診日確認の取扱い」についてお話したいと思います。
これは平成27年10月1日に厚生労働省より発出された「障害年金の初診日を明らかにすることができる書類を添えることができない場合の取扱い」の中にある項目です。
障害年金を請求する際、最初に行う作業が初診日の特定です。障害の原因となった病気やケガで、いつどこの病院で受診したのかを突き止めなければなりません。これまではこの初診日特定に大きな壁が立ちはだかっていましたが、この通知が発出されたことにより初診日の縛りが緩和されました。
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初診日が特定できないときの取扱いについて以下のような文言があります。
第2 1.初診日が一定の期間内にあると確認された場合の初診日確認の基本的取扱いについて
初診日を具体的に特定できなくても、参考資料により一定の期間内に初診日があると確認された場合であって、下記3(初診日があると確認された一定の期間中、同一の公的年金制度に継続的に加入していた場合)又は4(初診日があると確認された一定の期間中、異なる公的年金制度に継続的に加入していた場合)に該当するときは、一定の条件の下、請求者が申し立てた初診日を認めることができることとする。
若いときに障害を負い長年障害年金制度を知らずに過ごされてきた方や、緩やかに症状が進行する障害をお持ちの方の場合、何十年も前に初診日があるといったことが珍しくなく、病院の廃院やカルテの廃棄等で最初に受診した日を具体的に特定できないことがあります。
カルテの保存期間が5年ということもあるため、初診日は時間が経てば経つほど証明することが難しくなります。
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しかし、上記文言では参考資料により一定期間内の初診日を確認できればいいと言っていますね。
例えば自分の申し立てたA病院での初診日が平成13年4月(カルテ廃棄により初診証明不可)で、次院であるB病院へ転院したのが平成15年8月(初診証明取得)だった場合を想定してみましょう。
A病院の初診をどうしても証明したいが公的機関の発行する書類ではそれが不可能な場合、仮に前年の平成12年1月に受けた健康診断ではどこにも異常を指摘されていなかったことが検査結果から分かれば、この健診結果を添付することにより少なくとも平成12年1月より前に受診歴はないだろうとの予測がたちますね。
すなわち、初診は「平成12年1月以降~平成15年8月以前」ということになります。
これが「一定の期間内に初診日があると確認された場合」になります。
そして、この期間がすべて同一の年金制度であった場合(国民年金なら国民年金、厚生年金なら厚生年金のみ。つまりは混在していない)本人が主張した初診日を認めることができると通知には明記されています。
これまでは具体的な日付を執拗に求められた初診日。この改正により受診状況等証明書がなくても、あらゆる参考資料を駆使して初診日を「ある一定の期間」まで証明することができれば受給につながることとなったのは大きな前進といえるでしょう。
次回は「初診日があると確認された一定の期間中、異なる公的年金制度に継続的に加入していた場合」について解説します。