「初診日不明」とされた障害年金請求・・・その判断と対応を検証①
2026年8月21日
みなさん、こんにちは。
今回は、網膜色素変性症で障害年金を請求した事例について取り上げたいと思います。

今回ご紹介するのは、最初はご自身で障害年金の請求を行ったものの、「初診日不明」を理由として却下処分を受け、その後、ご自身で審査請求を行ったものの認められず、最終的に当事務所へご相談に来られた方の事例です。
それではまず、川北さんがご自身で障害年金を請求されるまでの病歴や経緯についてご紹介します。
傷病名/網膜色素変性症
請求方法/事後重症請求
請求年金/障害基礎年金
川北さんは、出生時から視力に問題はなく、学校健診などで指摘を受けることもありませんでした。
そのため、学校生活も特に支障なく送っていました。
ただ、今振り返ってみると、当時から暗い場所での見えづらさはあったそうです。
しかし、その頃は病気に対する認識もなく、医療機関を受診することはありませんでした。
平成3年4月に一般企業へ就職し、その後10年間勤務しました。
婚姻、出産を経て子育てをする中で、幼少期からあった夜盲に加え、次第に視野の狭さも自覚するように。
そして平成22年、夜盲と視野狭窄を主訴としてA眼科を受診。
そこで網膜色素変性症と診断されました。
しかし、網膜色素変性症には当時も治療法がなく、今後、特段の通院をする必要もないと告げられました。
治療法がないことに加え、通院の必要もないと告げられたことで、川北さんは大きなショックを受け、医療機関から足が遠のくことになりました。
その後、視野に比べると視力は比較的良好であったため、日常生活そのものに大きな支障を来すことはありませんでした。
ところが、平成25年頃から徐々に見えづらさが増してきたため、友人に勧められB眼科を受診。
その際には、初診時に前医で網膜色素変性症と確定診断を受けていたことを伝えています。
その後、平成28年には身体障害者手帳2級が交付されました。
現在もB眼科に定期的に通院し、経過観察を受けていますが、症状は緩徐に進行しています。
さて、ここからが今回の事例における重要なポイントです。
川北さんは、A眼科を初診日として障害年金の請求を行いました。
しかし、A眼科の受診が初診日として認められず、結果として「初診日不明」を理由に却下処分を受けることになりました。
川北さんが当事務所へご相談に来られた時点では、すでにご自身で審査請求も終えられていました。
そこで、まずはなぜ却下処分となったのか、その経緯と判断の根拠を確認する必要があると考え、請求時に提出された書類を取り寄せるところから始めました。
そして実際に書類を確認していくと、そこには年金事務所や保険者による不寛容ともいえる判断と対応がなされていたことが明らかになってきたのです。
なぜA眼科が初診日として認められなかったのでしょうか。
そして、川北さんの請求について、どのような判断がなされていたのでしょうか。
次回は、実際に提出された書類や処分に至った経緯を確認しながら、詳しくお話ししたいと思います。
それでは、次回へ続きます。
※個人情報保護の観点から、受診日や身体障害者手帳の取得時期などは、実際の日付とは異なるものに変更しています。


