(40代・女性)
2016年3月17日
Yさんは小学生の頃から父親が莫大な借金を抱えていたため、常に借金の取り立てに追われるという生活を過ごしました。昼夜を問わず数人の男がやって来ては自宅のドアを何度も叩き、その度にYさんは震えながら部屋で母親と身を潜めました。中学生の頃から人と接することに恐怖を感じ、学校の友人たちともうまくいかず一人で過ごすことが多くなります。
そんな折、大学へ入学した頃父親が借金を完済。借金取りに追われることはなくなりましたが、精神不安が改善することはありませんでした。耳をふさいでも常に借金取りの声が聞こえてくるような感覚があり、不眠に陥りました。その後大学を卒業し、就職しましたが、症状は悪化の一途をたどります。対人恐怖、無気力、全身の倦怠感が出現し、すぐに退職。
退職後、Yさんは母の勧めで診療内科を訪れました。これまでの経緯を説明すると、医師からは「うつ病である」と告げられました。
Yさんは現在も就労不能です。外出することは困難で、家庭内でも料理、洗濯、掃除等は全くできておらず日中のほとんどは自宅で横になって過ごしています。